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ROUTE10

懐かしい笑顔

大都市フェニックスに入りました。
環状線がめまぐるしく交差し、
碁盤の目のように
ストリートが規則正しく巡らされています。
ロサンゼルスよりもきれいに区画整理された町並みを、
多少迷いながらも、
8年前を思いだしながら、
メサにあるドナの家に着くことができました。
すでに夜の10時をまわっていて…
電話してからすでに6時間経っていました。

挨拶もそこそこに、
そのままプールに飛び込むように勧められました。
自分のために用意してくれていたバーベキューパーティー。
食材はすでにすべて焼かれてコンロは片付けられていました。
少し冷たくなった肉にかじりつきながら話が弾みます。
ドナが地元のライダー、リックを紹介してくれました。
「お前もハーレー乗っているのか?」
そう尋ねられ、
すぐに意気投合。
「これから夜勤があるから、朝5時にオレの職場の近くのコンビにまで来て電話しろ!」
急遽、明日一緒に走ることになりました。
早朝4時起き?
ハードな旅です。
それでもワクワクしながら
寝る前にトイレに行って気がつきました。
これがこの日、初めてのトイレだったのです。
あんなに水を飲みまくったのに、
トイレに行く必要もないほどの熱さ…
これが真夏の砂漠のツーリングです。
これで…
ROUTE10の旅の章を終わります。
ありがとうございました。
地元ライダーと出会いアリゾナを走ります。
彼ならではのルートに
アリゾナの懐の深さに驚かされることになります。
引き続きお楽しみに!

州境を超える!

アリゾナのボーダーを越えると景色が一変します。

遠くに要塞のような岩山が見えてきました。

雨って…
こんなふうに降るものだったんでしたっけ?
柱になって静かに近づいてきます。
ガソリンを給油し
水分を補給しさえすれば
見える景色も変わってくるもんなんですね~。
ただまっすぐなだけの何もない道を走ることが
また…どうしようもなく楽しく思えてきました。

アリゾナへ

砂漠のGSにもかかわらず
携帯電話は圏内でした。
ビ~ィ・ビ~ィ…
コールサインが数回
8年ぶりに
懐かしいかん高いドナの声が聞こえてきました。
彼女がかなり興奮しているのが伝わってきます。
どうやら、
あと1時間半で着く場所にいるようです。
待っていてくれる友がいる。
砂漠に一人
熱さに参り
心細かったところに
俄然、勇気が湧いてきました。
そう思うと
少しでも日のあるうちに先へ進みたい。
傾きかけた日差しを背に受けて
アリゾナへとバイクを走らせます。

砂漠を走る!

この日は
これ以上バイクに乗りたくはありませんでした。

「ドナの家には着けないな~」
そう連絡しよう~
携帯電話をとりだしました。

ガス欠危機一髪!

遠くに
ガソリンスタンドの看板が見えました。
「これで今回のツーリングもgame overにならずに済んだ~!」
砂漠であわやのピンチを切り抜けたときは…
心の底からの安堵感と…
何か大きな力が
自分に旅を続けさせてくれたようにも感じられました。
ガソリンスタンドにかけこみ、
ペットボトルを一気に2本飲んで、
1本を頭からかぶり、
日陰に倒れこみます。

水が体を滴り、
体の内にも巡っていくのがわかります。
クラクラと地球が揺れていました。
大空は…
自分が危機的状態だったことなど
気にもかけず
悠然と構えていました。

砂漠でガス欠の危機!

青く高い空、
たたみかけてくる直射日光、
人にも見放された荒野に
道だけがまっすぐかけぬけています。
バイクのエンジンからも
熱風がもわ~っと昇ってきます。
日本では味わえない砂漠のツーリング。
ふと目を落とすと、
バイクのガス欠を告げる警告ランプが
ついているのに気がつきました。
その瞬間、
抜けるような解放感が
不安と恐怖にかわり
どこまで行っても
ガソリンスタンドのあるジャンクションにたどり着けない
絶望感に襲われました。
人を寄せ付けない過酷で圧倒的なまでの大地、
その中で無力な人間の存在を思い知らされます。
今みている目の前の世界は
まぼろしなのか現実なのか…
とうとう意識までボ~っとしてきました。

通常、インターステイトのような大きな道には、
所々にわき道に抜けるインタージャンクションがあり、
そこには
GS、レストラン、モーテルなどがありますが、
砂漠地帯では
インタージャンクションはあっても、
No Services
と書かれた看板があるだけで
店も何も他にありません。

砂漠越え!

I-10号に戻って
パームスプリングを過ぎたあたりから
一面の砂漠になります。

気温は華氏115度
シフトチェンジをした後
クラッチレバーを放すと
熱くってさわることができないほどの猛暑の中
いよいよ砂漠越えが始まります。

サヨナラジョシュアツリー国立公園

空の色が少し明るくなってきました。
雲の色と流れを読んで
小雨の中
再び走り出します。
長い坂を下り始めると
あっけないぐらいすぐに雨はやんで
レインギアで武装した体に
太陽が容赦なくジリジリと照りつけ始めました。
停まってTシャツになろうと後方確認すると…
薄い中途半端な虹が
バックミラーの中で揺れていました。

雨に降られる!

とうとう雨に捕まってしまいました。
地面を叩く雨音の激しいこと
急いで近くのGSに逃げ込むと…

坂道から水が集まってきて…
あっという間に…
交差点が水浸しです。
隣の給油機にいた
ピックアップトラックに乗るオヤジが…
「ここは雨宿るするには良い場所だろ~」
って声をかけてきます。
子どもに戻った気分になって
空を見上げます。
少し小雨になったようので…
カッパを来て
再び、道に戻ることにしました。

走れ!走れ!

走れ!走れ!
雨が降りそうだから…走って逃げる。

ただそれだけのことなのですが…
うぉ~と心の中で叫んでいる自分がいます。

楽しいんです。
巨大な積乱雲から逃れようと
まっすぐなこの道を走ることが…。

自由になっていくのを感じます。

崩れ落ちそうな岩

ジョシュアツリー国立公園を走ります。
凄い所に岩が…
今にも崩れてきそうです。

非現実的な岩に…
今まで培ってきた常識さえ覆えさせられます。
大きな雨雲が迫ってきました。
風に吹かれて…
ちらほら雨を感じます。

ジョシュアツリーの山

ジョシュアトリー国立公園内の
山のひとつを登ってみました。
空気が澄み切っていて
風がゆっくり流れています。

見渡す先には…
さっき風車のバックに見た山脈がそびえています。
そして
気がつきました。

この山の先には
ジョシュアツリーが一本も生えていないんです。
大きな雲の影が
眼下の砂漠をゆっくり流れていきます。

ジョシュアツリーの森

ジョシュアツリーの森に
迷い込んでしまいました。

こんな劣悪な土地で
あたかもパウワウを踊っているかのような
ジョシュアツリー
ひと目のつかないところで固まっているなんて…
繊細な木にちがいありません。
キャンピングカーがやって来ました。

まったく日陰になる場所もみあたらないので…
昼間はちょっと大変でしょうけど…
夜は…どんな気分にひたれるのでしょうか?
岩のひとつに登っての天体観測なんて…
最高でしょうね?

砂漠の岩と宇宙


その岩は
空を見上げてた。
宇宙を刻む時の流れの中で…。
黙って空を見上げてた。

砂漠の箱庭

さてさて
今年も旅を続けることにします。
昨年からの引き続きで…
砂漠の箱庭…ジョシュアツリー国立公園です。

何もないのがとてもいい
ここは…そんな不思議な空間です。

ジョシュアツリー

立ち姿の愉快なジョシュアツリー
この木はカリフォルニアに全域に生息する植物です。

ジョシュアツリー自体は珍しくないのですが
ここジョシュアツリー国立公園は
地形とのコンビネーションがすばらしく
箱庭の中に紛れ込んだ感じがします。

キャンプ場もあるのですが…
日陰はありません。

ジョシュアツリー国立公園

暑かったですよ~。

一度バイクのグリップから手を離すと
熱くて握ることができなくなるんです。
それほど…
真夏にROUTE10を走るってことは
過酷なことのようで…
どうりで…
バイカーにまったくすれ違いません。

それでも…
ようやく…
ジョシュア国立公園の入り口に到着しました。

風力発電機畑

風力発電機の畑の真ん中でバイクを降りてみました。

山がくっきり見えて
木も草も生えていないので
標高が高いように思えますが
そんなことはありません。
この土地に立って思うことは
雨は降らず
陽射しは刺すように痛く
風が絶えず流れている…
そんな場所なのだろうということです。

地形を読んで
風の流れをつかんで
風力発電機が密集していました。

丘の上にはえているのは?

ROUTE10を東へ進路をとります。

丘に何かが生えています。
それも物凄い数です。

立っていたのは
風力発電機でした。

丘を下ると
風力発電機の牧場が広がっていました。

再会

遠くを走る貨物列車の汽笛が聞こえます。
時差ボケで朝早く目が覚めてしまいました。

昨夜は
いつもの顔が集まり再会を祝いました。
イタリア系移民のトニーが
『お前が来る時は必ずファミリー全員が集まるんだ!』
そう耳打ちをしてきます。
彼はリムジンサービスの仕事をしているということで…
ハマーのリムジンを買ってビジネスをしないかと誘ってきました。

もう20年近い付き合いになる姉さんに見送られ
ROUTE10を東へ向かいます。

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